テレワーク環境での作業状況共有システム

本システムは,テレワーク環境でバラバラに働くチームメンバが,互いの作業状況をリアルタイムに共有することを支援します.簡単に言えば,多くのチャットシステムにあるオンライン表示や在席表示の高機能版のようなものです.

システムの基本要素は,さまざまなPCの操作情報から,今その人に割り込むとどの程度邪魔になるか(割り込み拒否度)を推定する私たちの研究室の独自技術です.各ユーザのPCで動作する割り込み拒否度推定システムが,それぞれ推定した割り込み拒否度の1分間平均値をWEBサーバにアップロードすることで,メンバ相互の状況共有を可能にします.(メール着信通知のタイミング制御など,遠隔共有以外の利用も可能です)

「現在の」割り込み拒否度のリアルタイム表示(リンク)

特にお薦めするのは,管理的な立場の人が積極的に自らの作業状況を開示することです.働いている姿だけでなく,時には休憩を取る姿も見せることによって,チームメンバにモチベーションや働きやすさをもたらします.なお,本システムは,過度に個人の活動に立ち入ることがないように,敢えて詳細な情報を反映しない設計にしています.もちろんPCを使わない作業は反映されません.ですので,あくまでも推定値は「頑張っているな.よし俺も」「今はPCを使っていないんだな」「お,お昼か,こっちもそろそろかな」といった目安程度に考えて,「いつものオフィスのように,仲間の存在感やそこで一緒に働いている感じ(プレゼンスやアウェアネス)」を感じてください(私たちの過去の実験では,同僚の頑張っている姿を自分の励みにした,という感想が寄せられています).

また,作業状況の遠隔共有は,共同作業者に連絡を取る際に,忙しそうであれば少し待ってみるような,オフィスであればいつもしている相手へのちょっとした気遣いも可能にします.(例えば,上司に用があるときに,忙しそうかどうか様子を見てからにする人は多いと思います)

労務管理への使用は,システムの精度(PC作業以外は検出できない)と研究の主旨(チームメンバのプレゼンスやアウェアネス認知の支援)にそぐわないという二つの理由からお薦めしておらず,今後も予定していません.

研究用のシステムのため,導入にはある程度のITスキルが必要ですが,スモールチームでの導入に興味のある方は,ご連絡ください.(拒否度推定システムは,残念ながら,今のところMS-Windows専用です).