プロジェクト

  • ユーザ状況推定と情報提示制御
    仕事や勉強に集中している時のメール着信や電話って困りますよね.そこで,ユーザや部屋の状況を,”そっと”(アンビエントに)推定する研究や,状況を反映した適切なコミュニケーションを支援するエージェント(電子秘書)など,”空気を読んでくれるコンピュータ”や”離れた場所でも同じ部屋にいるようなテレワーク環境”を目標に,いくつかの研究室や企業と共同で研究を進めています.

    ユーザの割込許容度の推定

         作業に集中していると作業量が増えるのが一般的ですが,思考型の作業では必ずしもそうとは言えません.そこで,PCのアプリケーション切り替えや頭の動きなどから「作業量」に加えて「仕事の切れ目」に着目して分析し,「今,どの程度割り込んでも良いか」を推定する研究を実施しています.PC作業中であれば,ある程度推定できるようになってきました.


     

    部屋の雰囲気の推定

         今,電話をかけようと思っている相手が集中していないことがわかっても,廻りの人たちが集中していたら,ちょっと躊躇しますよね.そこで,個人の割り込み許容度だけでなく,「今,部屋に入っていっても大丈夫か」といった部屋全体の雰囲気を画像や音から推定する研究もおこなっています.



    状況を反映した会話調停エージェント

         遠隔での共同作業者や友人に,ちょっと聞きたいと思っても仕事や作業を邪魔する可能性があるので,話しかけを躊躇することがありませんか.そこで,推定した遠隔ユーザの状況に応じて,優秀な秘書のように,電話やメール,チャットなどの中から最適な方法を選んで,適切なタイミングで話しかける会話調停エージェントの研究をおこなっています.


      

    超臨場感コミュニケーション産官学フォーラム テレワークのための超臨場感作業班HPへのリンク


  • 力・触覚の提示・伝送と作業支援
    視覚と聴覚に次ぐ,計算機と人間をつなぐ第3の情報チャンネルとして,動作が注目され始めています.何かに触れたり物を持ったときの感覚を提示する力触覚のバーチャルリアリティーは,仮想世界と人間をつなぐ,重要な近未来の人間-計算機インターフェース技術として開発が望まれています.現在は,指先への力覚提示による仮想空間作業の支援や,インターネットを介した共同作業などの研究をおこなっています.見るだけの情報から触れる情報へ,次の時代は,もうそこまで来ています.

    仮想物体の直接把持と作業支援

         指先への力情報の提示によって,仮想物体を持ってたり置いたりといった仮想空間での作業を支援するする研究です.よりわかりやすい感覚提示と効率的な作業の実現に向けて,力感覚の強調や予測など,作業支援の観点からさまざまな力覚提示法の研究をしています. (MPEG Video

    (Ver.3: 12.7MB)

    (Ver.4: 10.9MB),最新型による仮想物体操作(5.6MB)

        )

    指先圧迫や指先振動提示による疑似反力提示

         指先への圧迫や,振動の強さや位置,変化パターンを精密に制御することで,指先への反力の方向や滑りなどを疑似的に提示する研究をおこなっています.物体との接触情報が精密に知覚できることで,従来の仮想空間では不可能だった「視覚情報なしでの作業」の実現が近づきつつあります. (

    振動制御による法線力の提示

        (14MB),

    すべりの提示

        (13MB),

    仮想物体タッチ

        (19MB)),(

    指先圧迫による簡易反力提示

        (2.4MB))

    共有仮想空間での共同作業

         遠隔のユーザ同士が仮想空間を共有し,その中で一緒に作業をできるシステムに関して研究をおこなっています.ネットワーク遅延などを考慮した力覚の提示など,遠隔ならではの問題解決が課題です.訓練や技術教授などへの応用が期待されています. (MPEG Video

    (7.1MB)

        )

    力触覚関連研究紹介ビデオ(Mpeg37MB)

    弾性物体の柔らかさの認知と提示に関する実験的検討(日本バーチャルリアリティ学会変形と力覚研究委員会講演資料2002.11.26)(PDF0.5MB)


  • その他のこれまでに実施してきた研究
    • パーソナルアバタ作成システム知らない人ならいざしらず,仲間達とのおしゃべりの時には,アバタにもその人らしさが反映されて欲しい.そういう人たちのために,その人っぽさを反映しつつ,アニメのキャラクタのように好感度の高いアバタを実現する研究をおこないました. (アバタエディタ(1.7MB),デフォルメアバタ(4.4MB))
    • 共有仮想空間音声チャットにおける音声を用いた視線・表情・動作の制御音声チャットでカメラを使うのは嫌,アバタはそういう人の代理を手軽に勤めてくれますが,手動で操作するのは面倒ですね.そこで,会話音声の韻律情報から会話の活性度を推定する研究や,人間の行動モデルに基づき,会話音声に併せて視線や表情そして動作を自動的に制御する研究をおこないました. (視線制御(20.7MB),視線制御2(32MB),表情制御(18MB),強調動作(5.5MB),全体(5.5MB)),共有仮想空間関連研究紹介ビデオ(Mpeg39MB),共有仮想空間でのコミュニケーション支援(ヒューマンインタフェース学会共生システム専門研究会第1回研究談話会講演資料2007.6.23)(PDF5.6MB)
    • ネットワークを介した遠隔硬さ感覚の共有見た目だけではモノの感触はわかりません.そこで,持ったときの柔らかさをパラメ-タ化して伝送し,受信側では反力や接触面積を制御することで表現する研究です. (MPEG Video (5.1MB))
    • 接触面積制御による仮想物体の柔らかさ提示モノの柔らかさは,触れたときの反力だけではなくて,指先の埋没による接触面積の変化も大きく関係していることがこれまでの研究でわかったので,指に触れる部分の接触面積だけを制御して柔らかさを提示するデバイスです. (MPEG Video (device: 5.4MB)) (demo: 4.3MB) (最新型: 5.1MB))
    • 足踏み式空間移動インタフェースWARPとネットワーク共有仮想空間歩行仮想空間を歩きたい,それを手軽に実現するデバイスがWARPです.足踏み動作を利用した直感的なインタフェース方式で,遅延の無い速度制御を実現します.コードレス化に加えて方向転換,バック,ジャンプなども実現し,実用性の高いものになりました. (MPEG Video(6.6MB) 音声付(5.0MB) MPEG Video(6.0MB) 最新型(6.0MB))
    • 小型かな文字入力デバイスと目立たない外部知アクセスシステムI-KASユビキタス情報環境も,マナーや習慣を考えると,いつもどこでも使えるとは限りません.そこで,人から見られず,自分も見ないで使える小型かな文字入力デバイスと情報アクセスシステムの開発をおこないました.
    • 仮想環境を利用した物体運動予測能力の分析スポーツには認知・予測や運動制御といった様々な要素がありますが,VRは自由自在に環境を操作することが可能なので,このような各要素能力の精密な分析や訓練に利用できる可能性があります.これまでに人間の物体運動予測能力に関する新しい実験結果が発見され,その原因を解明しました.
    • 手のモデルを利用した指先位置のカメラトラッキングバーチャルリアリティでは,指先のトラッキング技術は欠かせません.カメラを使った方法はコードが不要なので手軽に利用できる反面,マーカの隠れが大きな問題になります.そこで,人間の把持動作をモデル化することで隠れたマーカの推定を試みました.
    • 共有仮想空間でのグループワークトレーニング様々な企業で協力して共同作業をおこなうための基礎トレーニングが行われています.そこで,協調して共同作業をおこなうためのグループワークトレーニングを,効果的に行うための遠隔共同作業システムと,作業の自動分析に関する研究をおこないました.
    • 広視野立体映像による移動感と酔いの解析より高いリアリティには大きなスクリーンでの広視野映像や立体視が効果的ですが,同時にVR酔いの原因にもなります.そこで,「臨場感の増強」と「酔いの軽減」の両立をめざし,大型スクリーンを用いた移動感覚や酔いの研究を実施しました. (MPEG Video(4.9MB):)
    • 義足ソケットの自動形状調節システムの開発義足の形状を自動的に調整することで,通常は調整に1ヶ月かかる義足の製作を1日でおこなうシステムの開発にも取り組み,実用的なシステムを実現しました.
    • 機能的電気刺激 (FES)による麻痺患者の運動機能再建交通事故などで脊髄が損傷されると,手足の筋肉を自分の意志で動かすことができなくなります.このような人の手足の筋肉を,電気的に制御して動作をおこなう機能的電気刺激(FES)の研究に取り組んできました. (MPEG Video(Able bodied)(8.3MB)(8.7MB))

    研究室紹介(日本バーチャルリアリティ学会学会誌2001.6)(PDF1.7MB)